2026年10月の東京都で始めやすいのは、小松菜・ホウレンソウ・春菊・チンゲンサイなどの秋まき葉物、ソラマメ、苗から育てるイチゴ、秋植え球根です。10月前半は種まきの選択肢が広く、後半は発芽後の生育がゆっくりになるため、葉物は品種袋のまき時を確認し、苗や球根を使う計画に寄せると失敗を減らせます。東京都全域で同じ気温・霜の条件ではないので、都心の平年値は目安として使い、実際の作業日は最新予報と自宅の庭・ベランダの環境で調整してください。
10月に植えるものを、方法別に選ぶ
| 目的 | 候補 | 10月の進め方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 早めに葉を収穫 | 小松菜、チンゲンサイ、春菊、ホウレンソウ | 前半はプランターや畝に直播き。混み合ったら間引き、必要なら不織布や防虫ネットを掛ける。 | 後半は発芽・生育が遅くなる。秋冬向け、早生など地域と作期に合う種を選ぶ。 |
| 冬越しの株を育てる | ソラマメ、秋まきコリアンダー | ソラマメは10月~11月上旬に大きめの鉢へ播種。コリアンダーは秋まき適期の前半に播種。 | ソラマメは根を傷めないよう直播きが基本。株元の過湿と窒素肥料の与え過ぎを避ける。 |
| 苗から始める | イチゴ、ブロッコリー、キャベツ、リーフレタス | 園芸店の健全な苗を選び、根鉢を崩し過ぎず定植する。イチゴは10月に苗が店頭に並ぶ例がある。 | 葉が混み過ぎたり根が鉢底で固まった苗は避け、苗札の地域別時期を確認する。 |
| 花壇・鉢を春につなぐ | パンジー、ビオラ、チューリップなどの秋植え球根 | 花苗は苗を植え、球根は秋の土が冷え始める時期に植え付ける。 | 球根の深さ・向き・株間は種類で異なる。東京都内の公園でも10月末の球根植え付け例がある。 |
作業の根拠として、JA東京中央の家庭菜園資料は小松菜をほぼ周年栽培できる野菜とし、春菊の種まきは3~10月、チンゲンサイは4~10月、ホウレンソウは9~11月を目安にしています。ソラマメは10月から11月上旬が種まき適期です。東京都の旬カレンダーでは、都内産の小松菜、ホウレンソウ、ブロッコリー、白菜などが秋から冬に出回ることも確認できます。これは収穫の季節情報で、家庭菜園の播種日を直接示すものではありません。

東京都の10月は、平年値と2026年の予報を分けて見る
気象庁の東京観測点における1991~2020年の10月平年値は、月平均気温18.0℃、日最高気温の平均22.0℃、日最低気温の平均14.8℃、月降水量234.8mmです。平年値は30年間の統計的な基準であり、2026年の10月が必ずこの範囲で推移するという予報ではありません。平均値からは、月初に残暑を感じる日があり得る一方、月末に向けて夜間の冷え込みが増すことを想定し、播種・水やり・保温の準備を段階的に進める判断ができます。
2026年9月29日時点では、気象庁の季節予報ページで関東甲信地方の1か月予報(9月26日~10月25日を対象とする期間)を確認できます。これは東京都だけを切り出した予測でも、毎日の最高・最低気温を確定する週間天気予報でもありません。平年値と予報の確率傾向を分けて読み、播種日や不織布を掛ける日を決める前には、直近の週間天気予報と最低気温、雨の有無を見直してください。予報が更新されたら、週ごとの計画も更新します。
東京都は23区、多摩地域、島しょ部で標高・海からの距離・風当たりが異なります。気象庁の東京地点での初霜の平年日は12月23日ですが、これは都内全域の「霜が降りない保証」ではありません。多摩の内陸部、建物の陰、放射冷却しやすいベランダでは、都心の観測点より早く冷えることがあります。10月中に霜が必ず降りるという意味ではありませんが、寒さに弱いバジルや植えたばかりの苗は、急な冷え込みに備えて鉢を移動できるようにしておくと安心です。
野菜は直播きと苗のどちらが向く?
直播き向き:小松菜、春菊、チンゲンサイ、ホウレンソウ
10月前半に一度にたくさん播くより、1~2週間ずらして少量を複数回播く方が、食べ頃が集中しにくくなります。小松菜は深さ10cm以上のプランターでも育てやすく、薄く覆土して発芽までは乾燥させない管理が基本です。春菊は発芽・生育適温が15~20℃とされ、10月は播種期の終盤に当たります。ホウレンソウも秋まきでき、冷え込みにも比較的強い一方、土壌酸度や水はけの影響を受けるため、種袋の土づくり・覆土の指示を優先してください。
青虫やヨトウムシなどの食害を見つけたら、葉裏を確認し、種まき直後から目の細かい防虫ネットを隙間なく掛けます。暖かい日が続けば害虫が活動することがあります。プランターでは土の乾きも早いため、雨が少ない日は表面だけでなく鉢底から水が抜けるかを確認します。逆に雨が続く場合は受け皿に水をためず、排水口が詰まっていないかを見ます。
苗・移植向き:イチゴ、ブロッコリー、キャベツ、リーフレタス
ブロッコリーやキャベツは、10月に種から始めるより、秋冬作として育苗された苗を植える方が収穫までの時間を確保しやすい場合があります。苗札に「東京・関東」「秋植え」などの適期表示があるかを確かめ、鉢の根鉢を軽く湿らせてから植えます。植え付け後は株元を押さえ、根と土を密着させます。葉が大きく育つ種類は、鉢のサイズと株間を確保してください。

JA東京中央の家庭菜園資料では、キッチンガーデン向けのイチゴ苗が10月ごろ店頭に並び、日当たりのよい場所、深さ15cm以上のプランター、株間15~20cmが目安として紹介されています。クラウン(葉の付け根にある株の中心)を土で深く埋めないこと、植え付け直後に乾かさないことが要点です。苗から始める方法は早く形になりますが、苗代がかかり、土の状態を選べません。直播きは費用を抑えられる反面、発芽までの温度・水分管理が必要です。
ハーブは何を播き、何を室内に移す?
香りのある葉を育てたいなら、秋まきコリアンダー(パクチー)は選択肢です。タキイ種苗は、暖地では10月まきも可能とし、日当たりと排水・保水のよい場所を挙げています。サカタのタネの栽培情報では、秋の種まきは9月中旬~10月中旬、適温は15~25℃、5℃以下では生育が止まりやすいと説明されています。東京都内でも10月下旬まで一律に適期と考えず、前半の涼しい時期を優先し、品種の説明を確認してください。
バジルは暖かさを好み、日本では一年草扱いです。JA東京中央の資料では発芽・生育適温は20~25℃、種まきは4月中旬以降とされています。10月に新しく屋外へ播く作物としては優先度を下げ、育っている株は葉を収穫し、夜の冷えが強まる予報なら鉢を明るい室内へ移すか、収穫を終える判断が現実的です。パセリなど苗で始められる多年・長期収穫型の香味野菜は、株元を傷めないように植え付け、日当たりのよい窓辺や軒先で様子を見ます。
室内での播種は、発芽後すぐに十分な光を当てられる場合に限ります。窓辺が暗いと苗が細長く伸びて倒れやすくなるため、窓ガラス越しの明るさを午前・午後に確認してください。小松菜やチンゲンサイを浅いトレイでベビーリーフ用に育てる方法は、収穫を小さく早く楽しみたい場合に向きます。一方、根を食べる野菜は植え替えで根が曲がることがあるので、移植を嫌う作物は最初から最終容器へ直播きします。
花は苗と球根を使い分ける
パンジー・ビオラは、10月に種から育てるより、花芽の付いた苗を植える方が秋冬の花を早く楽しめます。東京都の広報資料では、パンジーは夏まきして晩秋から咲かせる方法が広まり、10月ごろ店頭に並ぶと説明されています。福生市の秋の花植えでも、葉ボタン、パンジー、ビオラが使われています。花壇に植える前に、土の水はけを整え、苗の株元を深く埋めないようにします。日当たりが短いベランダでは、花数よりも日照時間を優先して置き場を選びます。

チューリップなどの秋植え球根は、植え付け後に根を張らせ、冬を越して春に咲かせる計画です。東京都の公式ポータルには猿江恩賜公園で2026年10月31日に球根植え付けを行う案内が掲載されています。家庭の植え付けも10月末が一律の締切という意味ではありません。球根の種類、鉢・地植え、土の温度によって適期が変わるため、販売元の説明を確認してください。水はけの悪い鉢や、雨がたまる場所は球根が傷みやすくなります。
2026年10月の週ごとの庭仕事チェックリスト
| 期間 | 播種・植え付け | 管理と判断 |
|---|---|---|
| 10月1~7日 | 小松菜、チンゲンサイ、ホウレンソウ、春菊を少量直播き。イチゴや葉物の苗を植える。 | 土を湿らせて発芽をそろえる。日中が暑い予報なら播種後に乾燥しやすい鉢を半日陰へ移し、夕方に水切れを確認。 |
| 10月8~14日 | コリアンダーを秋まき。ソラマメを大鉢・深型プランターへ直播き。秋冬向けのブロッコリー苗を定植。 | 葉物の本葉が出たら間引く。台風や強雨の予報があれば鉢を壁際へ寄せ、排水口と支柱を点検。 |
| 10月15~21日 | パンジー・ビオラ苗を植える。葉物は品種袋の期限内なら小分けで追加播種。 | 日照の短い場所では徒長を見て鉢をより明るい場所へ。防虫ネットの隙間、葉裏の食害を確認。 |
| 10月22~31日 | ソラマメの播種を続ける。チューリップなど秋植え球根を植え、遅い葉物播種はベビーリーフ向けや保温できる鉢に絞る。 | 週間予報の最低気温を見て、バジルなど寒さに弱い鉢を室内へ。冷え込む夜は不織布を用意し、晴れた朝に外す。 |

作業前の短い確認リスト
- 種袋に書かれた播種時期が「関東・暖地」「秋まき」など自宅の地域に合っている。
- 土が乾き切らず、雨の後も水が鉢底から抜ける。
- 直播きした列と苗を植えた場所が分かり、間引き・収穫時期を記録できる。
- 虫の多い葉物には、防虫ネットを発芽前後から隙間なく掛ける。
- 直近の気象庁週間予報で最低気温、雨、強風を見て、鉢の移動先や不織布を準備している。
- 都心の平年値を、多摩内陸や島しょ部の庭の実際の気温と混同していない。
10月の東京都では、葉物を少量ずつ播き、ソラマメや花球根は長い生育期間を見込み、苗で始める作物は根鉢と置き場を見て選ぶのが実用的です。暖かい日が続けば水切れ・虫害への注意を続け、冷え込みが近づけば鉢の移動と保温を優先します。播種後に発芽しない場合は、まず種袋の適温、覆土の厚さ、水分、直近の最低気温を確認し、条件を一つずつ直して再播種してください。
参考にした公式・地域資料
- 気象庁「東京の月別平年値(1991~2020年)」
- 気象庁「東京の霜・雪・結氷の平年日」
- 気象庁「季節予報」
- 気象庁「天気予報」
- JA東京中央「家庭菜園」
- 東京都「東京産農産物の旬カレンダー」
- タキイ種苗「コリアンダー(香菜)」
- サカタのタネ「パクチーの育て方」
- 東京都「東京くらしねっと・パンジー」
- 東京都公式ポータル「猿江恩賜公園の球根植え付け案内」
確認日:2026年9月29日。種まき時期は品種や地域、ベランダの方角、年ごとの気温で変わります。種苗袋と最新の気象情報を最終判断に使ってください。